これは、僕からの、これから就活に取りかかろうとしている息子さん/お嬢さんをお持ちの親御さんへの追記です。
大学は、高校までとは違う…と今の親世代は思っているでしょう。
かつて、大学進学率がまだ10〜20%台だったころに進学し、就職した親世代。
学生そのものの意識も今と昔では全く違う。
僕もそうだが、当時の大学生はまだ受験戦争なんていう言葉が残っていた時代。
大学生はモラトリアム期間だの色々言われていた世代だが、今よりも競争の中で揉まれてきたし、自立に対して積極的だったように思う。
しかし、今や大学進学率は5割を超え、6割に届きそうな勢い。
大学の募集人員の方が進学希望者を上回る大学全入時代。
そして中堅以下の大学に入学する人の多くは、受験を経験していない。
AOや推薦入学だから、敷かれたレールにそのまま乗っかってきた学生が大多数。
やや乱暴な表現かもしれないが、親世代のレベル感からすれば、現在の大学は当時の高校もしくは専門学校に近いくらいの感覚を持っていて丁度良いくらいだ。
親世代の就活と今の就活は全く違う。
景気の問題もあるが、意識として卒業後就職しないのは、進学を除けば何かの資格試験や公務員試験のために浪人するか、音楽や演劇などの道に進むかくらいしかいなかったように思う。
今やフリーターは学生からしたら選択肢の一つ。
就職活動のやり方も、リクルートブックからリクナビに変わり、就活の入り口は簡単になった。リクルートブック時代は、大学によって届くものが異なったが、今や誰でもどんな会社にもアクセスできる。
だから、普段名前を聞き慣れている大企業も、もしかすると手の届くそんざいなんじゃないかと勘違いをしてしまう人もいる。
しかし一方でゆとり教育でなんとなく育ってしまっている分、成功体験も失敗体験も積んでおらず自信を持てていない学生も多い。
家族構成も親世代は兄弟姉妹がいる方が多いくらいだが、今は一人っ子がほとんど。
核家族化が進展し、近所づきあいも都会だとほとんど無い。
だから親世代が思っている以上に異世代とのコミュニケーションに慣れていない。
特に他人に叱られる経験はほとんどしていない。
それが、いきなりグローバル競争真っただ中の弱肉強食の世界に向かう。
面接をする側はまさに皆さんと同じ親世代。
皆さんが、もし自分の息子さん/お嬢さんの就職活動が気になるというのであれば、親子の会話の中で、普段面接で訊く定番質問を試しに訊いてみるといいかもしれません。
志望動機や自己PRはさすがに不自然なので、
「そういえば、お前、割と○○頑張ってたよな?」と。
さらにそこからコンピテンシーを測る深掘り質問
「○○って、具体的に何やっていたのかちょっと教えてくれよ」
と訊いてみるといいでしょう。
漠然と「お前、就職どうなんだ?」と訊いたり、リクナビやマイナビに何社登録しているかとかを訊くよりも、就活で善戦しそうか苦戦しそうかは見えてくると思います。
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今日のひとこと
「そういえば、お前、割と○○頑張ってたよな?」
「○○って、具体的に何やっていたのかちょっと教えてくれよ」
ヘンにやきもきしたり、唐突に「就職どうなんだ?」と訊くよりは
大学時代、何をやっていたのか訊いてみましょう。
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